

「こんな雰囲気が好きなのです」 と和洋折衷が織り交ぜられた大正浪漫な建物の写真。この時代の建物には憧れがある。ヨーロッパの影響を多く受け、和の落ち着きの中に華やかな洋。
和風建築を得意とする建築家もいれば、和洋折衷にトキメク建築家もいる。完全に後者の私は、この施主さまとの出会いが嬉しかった。
無機質なものよりも 自然な色調や素材を好む事は私たちの共通点であった。屋根瓦は人の手が窯で焼くものを選んだ。高価な逸品ではあるが施主様の譲れないこだわりである。間取りに関しては、人に集まってほしい!友人たちが訪れたくなる家にしたい!大好きな祖母が感じられるような土間がほしい!など抽象的な要望が私のイマジネーションを高めてくれる。照明や、日光の差し込み方など十分に考慮しながら設計を楽しんだ。

コの字に配されたリビング・キッチン・土間。中央にはデッキスペースを配し、道路からの目線は建物が遮るように設計。二階建てと平屋の組み合わせで構成された外観は、屋根瓦を存分に生かしてくれる。
右の部屋は土間へと続く。
玄関からにじり戸をくぐり入る和室。
押入れ襖には大正ロマンを代表する画家・竹久夢路デザインの和紙を貼った。
ステンドグラスのペンダントライトが地板や塗り壁を照らし出す。
正面木製サッシからは癒しの坪庭の緑。
スティール製のストリップ階段。
ブラックウォルナットの踏板を、階段下からも見えるようにデザインしたのは、スティールのモダンと木の温かみを同時に表現したかったから。キッチン正面はヒバ材の格子戸。リビングからの目線を程よく遮り光を通す。
ヒバの格子戸や栗のダイニングテーブルを引締めてくれるブラックのタイル。
程よい艶といい、ブラウンの混ざった色の調子といい。かなり気に入っていたのだが残念!これを最後にまた廃盤になってしまった…。
>>ブログ「ジンクス」へ
キッチンは空間に合わせて造作 天板は厚さ5mmのステンレス。扉はリビング同様ブラックウォルナット。家のテーマになるカラーや材質を決めることで品の良い空間が生まれる。ペンダントライトも陶芸品、テーブルからシンクまでを跨るバランスでの配置がこだわり。
最後まで迷った階段照明。無機質なスティールに手すき和紙のぬくもりを配した
右開口は和室に続く。ここからお客さまにお茶を出す空想と共に考えた導線。
>>>>ブログ「発言の源」へ
※この物件はワンズ株式会社在籍時に設計させていただきました。